下記プログラムに従い実施致します。なお、参加者の都合によりプログラムの変更を行うことも可能です。
食品中に含まれる脂質を分析するためには、まず、食品より脂質を抽出する必要がある。この操作の原理説明、および抽出作業を1日目から2日目に行う。
抽出した脂質の性状を決める最も大きな因子の1つは、脂質を構成する脂肪酸種である。よって、抽出した脂質を用い、ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析する。併せて、分析方法の原理、機器の使用方法についても説明する。3日目に実施する。
抽出した脂質中にどのような脂質クラスが存在するかを分析する。脂質クラスもまた、脂質の性状を決定する重要な因子である。3日目に実施する。
脂質は非常に酸化を受けやすい食成分である。そのため天然には、抗酸化物質としてビタミンEが含有されている。そこで、高速液体クロマトグラフィーを用い、抽出脂質中に含有されるビタミンEおよびその同族体量を測定する。4日目に実施する。
食品中に含まれる油脂は酸化を受けると、劣化臭の原因となる二次酸化生成物を発生する。そのため加工食品を製造した場合、食品中の油脂の酸化度は必ず測定する。そこで、油脂の酸化度確認に用いられる3種類の酸化度測定法を修得する。5日目に実施する。
油脂の劣化臭は、低分子の二次酸化生成物の集まりである。そこで、油脂劣化臭を構成している物質の同定、ニオイセンサーによる官能検査を行う。6日目に実施する。
|
実験項目 |
担当 |
|
1日目 |
午前:概要説明、脂質抽出の原理(講義) |
和田 | |
|
午後:食品からの脂質抽出1(実験) | 後藤 | |
2日目 |
午前:食品からの脂質抽出2(実験) | 後藤 | |
|
午後:食品からの脂質抽出2(実験) | 後藤 | |
3日目 |
午前:分析機器に関する説明(講義)、抽出脂質の誘導体化(メチルエステル化)(実験) |
和田・後藤 | |
|
午後:ガスクロマトグラフィーを用いた脂肪酸分析(実験)、脂質クラス分析(実験) |
後藤 | |
4日目 |
午前:油脂の酸化と抗酸化(講義) | 和田 | |
|
午後:高速液体クロマトグラフィーを用いた抽出油脂中のビタミンEおよびその同族体量測定(実験) |
後藤 | |
5日目 |
午前:抽出油脂の酸化度測定1(酸価)(実験) | 後藤 | |
|
午後:抽出油脂の酸化度測定2(過酸化物価、アニシジン価)(実験) |
後藤 | |
6日目 | 午前:抽出油脂のニオイ測定1(GC/MS)(実験) |
和田 |
|
午後:抽出油脂のニオイ測定2(ニオイセンサー)(実験) | |||
7日目 | 参加した学生自らが食品中の油脂分析を行う。(復習実験) | 食品からの脂質抽出(実験) | 和田・後藤 |
8日目 | 抽出脂質の誘導体化(メチルエステル化)(実験)、ガスクロマトグラフィーを用いた脂肪酸分析(実験)、脂質クラス分析(実験) |
和田・後藤 | |
9日目 |
高速液体クロマトグラフィーを用いた抽出油脂中のビタミンE量測定(実験) 、抽出油脂の酸化度測定(酸価、過酸化物価、アニシジン価)(実験) |
和田・後藤 | |
10日目 |
総括 | 和田 |